ホーム > 書籍 > 関連図で理解する循環機能学と循環器疾患のしくみ 第二版 > 著者のコメント
 『月刊ナースデータ』の好評連載「関連図で理解する人体機能学」が『循環機能学と循環器疾患のしくみ』として単行本になりました。本書を手に取った人は思わず「あっ,この本すごい」とつぶやくでしょう。病態生理と疾患,症状,検査のつながりが関連図で一目で理解できるからです。今回は,著者である安倍紀一郎氏と森田敏子氏に,本書に込めた思いをうかがいました。

生理現象と病態生理を関連図で理解

森田 質の高い適切な看護を行うには,人間のさまざまな生理現象と疾患の病態生理についての理解が不可欠です。しかし,病態生理に関する成書は出版されていても,看護教員として学生に理解してほしい,身体の生理的な仕組みや病態に起因する人間の反応などの説明が,あいまいだったり,省略されていたりして,納得できる書籍になかなか出合えませんでした。
 そんなとき,安倍先生から,「『関連図で理解する人体機能学』という本を書くことになったので,看護の立場から人体の仕組みや反応を概説してみませんか」とお誘いを受けました。欲しいと思っていた書籍ですし,25年間にわたり生理学と生理機能検査学を教えてこられた安倍先生との共著でしたので,安心して執筆に取り掛かることができました。
安倍 私も「こんな書籍があればよいのに」と常々感じていました。しかし,すべての医療職者に役立つ書物にするためには,看護学の教師との密接な連携が必要です。本書は,生理学と看護学の教師の共同作業によって生まれたものです。
 身体の中で起こっている現象は,お互いに関連し作用し合っていますが,これを文章で表現することは困難です。しかし関連図で表せば,その様子を目で見て理解することができます。本書では,すべての疾患の仕組みを取り上げているわけではありません。しかし,本書で勉強することによって,正常な身体の生理的な仕組み,また疾患の基本的な仕組みが理解できます。
 例えば心電図の本は,波形の読み方を記述しているだけのものがほとんどで,この疾患ではなぜこのような波形が現れるかを納得できるように書いていません。今まで多くの本を読んでも心電図をマスターできなかった方は,この本を勉強してから心電図の読み方の本を読んでみてください。必ず心電図をマスターできることでしょう。

仕組みを理解することで判断能力を身に付ける

森田 仕組みが理解できれば,未知の現象に遭遇しても,それを正しく判断し解決する能力を身に付けることができるのではないかと思います。そのため本書では,看護師にそこまで必要だろうかと思われる事項も,省略せず解説しています。
 本書で明らかにされている「血圧測定のマンシェットの巻き方の向き」は,本によって,ゴム管を下に向ける,または上に向けると記述がさまざまであり,私の長年の疑問でした。ぜひ,その答えを皆さんの目でお確かめください。

チーム医療の共通知識として

安倍

今までお話ししたことは,看護だけの問題ではなく,臨床検査技師,薬剤師,診療放射線技師などの教育においても同様で,部分的なことに偏り,人体全体を見渡した教育の視点に欠けているように感じます。これでは,チーム医療の必要性が叫ばれても,さまざまな医療職者が対等に話をすることはできません。本書には,すべての医療職者に必要な共通知識について書いています。共通の知識の上に立ってこそ,初めてお互いに専門的な会話ができるようになるのです。
 知識に偏りがなく,正しく本物であるかどうかは,実践し実証して初めて明らかになります。私は,本書を書き始めてから1年間で血圧が高くなりました。病気は正常な生理機能のバランスが偏りすぎたために起こるのだという観点から,高血圧になった原因を分析し,高血圧になったメカニズムを考えました。そして,薬を使わずに生理機能のバランスを取り戻して高血圧を完治させました。知識を活用し,実践し実証した例を本書の結びとしています。

 

 

 

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