ホーム > 書籍 > さあさんのかかってキネステティク 改訂版 > 紹介記事

Der Landbote新聞 2000年5月25日木曜日
ウィンタートウル市の話題欄

(※注: ウィンタートウルはスイスの市。ヴィンタートウルかもしれません
  が、日本に支社のある保険会社がウィンタートウルと名乗っている
  ので、それに準じました。)

アドレーガルテン保養施設で、在宅介護者のためのキネステティク講習会が開催された 
(注:アドレーガルテン保養施設は、ウィンタートウル市にある高齢者や回復期の患者のための保養施設。公園のそばにあり、開放的な環境の中で野生の動物も見られるという良い環境にある…らしい)。

余計なストレスなしに患者が動ける
自身の体に余計なストレスを受けずに患者を動かすことのできるキネステティクコースで家族が講習を受けた。キネステテイクエキスパートと将来の看護婦が手ほどきした。

トーマス・ラートマン記
 フローラ・トマスがヴィットリオの膝を背中のほうに折り曲げて、骨盤にかかる重さを軽くした。胸と頭の重さを腕にかけてやると、彼女はいつもより少ない力で半身麻痺の夫を横に向けることができた。その後、簡単にベッドの縁にヴィットリオ・トマスは座った。車いすが持ってこられた。46歳の妻が、夫の麻痺している側、つまり左側を支えると夫は丈夫なほうの手で自分自身を支え、車いすに乗った。妻がヴィットリオの体重を受けて抱えあげる必要もなく、いとも簡単に夫は車いすに座った。
 看護専門学校の、いわゆる介助する家族向けの教習コースに、フローラ・トーマスは他の15名と共に参加していた。参加者は3日間、アドレーガルテン保養施設で手ほどきを受ける。彼らは、病気または障害を持った家族の、入浴、散歩、起居、着替え、食事などの動きを楽に、そして痛みなしに手伝うことを学ぶ。そのための基本は患者の体の中心部(頭、胸部、骨盤)から四肢(腕、下肢)のほうへ、または逆のほうへ「重さを移す」ことである。
持ち上げて運ぶ代わりに、患者のできる範囲で患者自身に動かさせて、足りないところに手を貸す。このようにすると、患者にとっては健康と自立心を援助されることとなり、介助者にとっては余計なストレスとケガを避けることになる。「動けなくなったら、(普段何ともないことでも)全部自分でやらなければならないということは大変なことなのです」とフローラ・トマスは語った。夫は4年前に脳卒中になり、それ以来、左半身が麻痺している。フローラは週のうち5日間は24時間、現在54歳になる夫の世話をしている。残りの2日間、夫はアドレーガルテン保養施設のデイサービスで過ごす。「そうすることで、週に数時間だけ、私がリラックスできるのです」と献身的な妻は語った。しかし、他の参加者も愛情と義務感から驚くようなことをしている。例えば、動けない母親を介護するうちに5年経ってしまった娘、重度の障害をもつ子どもを養う両親などである。彼らはみんな、なんとか少しでも家族や患者の生活が楽になるようなコツをつかもうと望んで参加している。

生徒を巻き込んだ計画
 看護専門学校の教師のマーチン・シュミットは、介助する家族にキネステティクを教えようと考え始めた。昨年、彼は看護学生と、介助する家族が一緒に参加するという計画をまとめ上げた。
 この計画にはスピテックス・ウィンタートウルがかんでいる。
スピテックス社の仕事は介助する家族が、この教習コースに関心を持つようにさせることである。さらに、スピテックス社は家族がそのコースに参加する間、介助を代行する。すでに、学士レベルの18人の見習い看護師が、学校での職業訓練の間にマーチン・シュミットからキネステティクの教育を受けている。「介助する家族と学ぶ」コースは、学生にとっては、教わる側として特に理論的知識を実践レベルに深めることができ、また教える側としても自分を試す機会を与えてくれる。これから看護のプロになる彼らが、参加者一人ひとりを担当して面倒をみている。
 ただし、もちろんのことながら、これは一人ではできない。
 このクラスは彼らの教師ならびに国境を越えて有名なキネステティクトレーナーであるハイジ・バウダーの協力を得ている。
キネステティクを学んだ家族は(その楽さや動きに)感激する。参加した家族は、お互いに練習したり、家族を相手に何度も何度もいろいろな動き方の練習をしている。
実はハイジ・バウダーが簡単にエレガントにやって見せていることは、さまざまな小さな動きの高度に複雑な連続技なのである。「Uebung macht den Meister. 練習が名人を作る」という言葉は、まさにキネステティクのためにあるのである。

写真の解説
 キネステティク・トレーナーのハイジ・バウダーが、ヴィットリオ・トマスが立ち上がるための準備をしている。
複雑な動き フローラ・トマスが夫を相手にキネステティクの技を練習している。

翻訳 Sahsan


 

前のページへ戻る このページの最初へ

Copyright (C) 2003-2004 nissoken. All Rights Reserved. お客様センターフリーダイヤル 0120-057671