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■刊行にあたって
日本の精神医療・福祉は諸外国と比較して遅れている点が多々あります。そのため,私たちは,これらの問題を改善するために積極的に取り組んでいかなければなりません。また,今後の精神医療・福祉の担い手を育てるために大学や専門学校においては,学生があらゆる成長発達段階にある個人および集団の心の健康増進と心の問題の予防・解決を実践できるように教育する必要があります。したがって本書は,学生ならば抱くであろう,「講義に対する素朴な感想」そして精神医療・福祉などに興味を抱く方々が「聞きたくても質問できなかった疑問」に対して,簡潔明瞭に答えるようにしました。それによって,このような期待に応えることをねらいとしています。
私の学生時代には,本書のような形式(スタイル)の心理学の参考書が自己学習の助けとなりました。その経験から,この点を実現するために監修者間で検討を重ねた結果,(1)1問1答を1ページで完結し,必要な項目を解説する,(2)難しい専門用語にふりがなを付ける,(3)難しい表現を避け,読みやすい文体にする,(4)各執筆者の人柄が伝わるようにする,という4点に配慮しました。
そして,医療(理学療法,作業療法,臨床心理)・保健・福祉・看護の学生のみならず,精神医療・福祉に興味をお持ちの一般の読者の皆様,そして患者さんとそのご家族にも利用していただけるように工夫しました。私も,いまだにわからないことだらけで,毎回の講義の前には絶えず調べて臨んでいます。そういった意味で,講義を担当する「先生方の虎の巻」としてもお役に立つと思います。
本書の質問に対する答えには,あたたかいこころのかよい,そして読者や障害者に対する思いやりが随所に込められています。また,一読していただければわかりますが,こころのケアに携わっている各執筆者から,授業の後で直接説明を受けたような気持ちにきっとなっていただけると思います。
本書が十分に活用され,「精神科の用語は難しくない」と思えるようになる,そのお役に立てればと願っております。
最後に,出版実現の労を取ってくださった日総研グループの阿部哲也氏に心から感謝致します。また本書ができ上がるまでには,数多くの方々のご指導,ご援助を受けました。紙幅の都合により,ここでお名前をすべて挙げることはできませんが,この場を借りて御礼申し上げたく思います。
ありがとうございました。
2003年4月
編著者を代表して
谷岡哲也
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