五訂にあたり

　『居宅ケアマネ　超実務的現場ルールブック』初版の刊行から９年，３回の改訂版を重ね，このたび第５版を出版することとなりました。今回の改訂版の刊行に至るまで，多くの皆さまが本書に目を留め，実務にお役立ていただいていることを大変うれしく思っております。
　2000年４月，走りながら考えるとして始まった介護保険制度ですが，介護サービスの利用者数は右肩上がりに増加し，併せて求められるサービスの内容が多様化しています。これに応えるように，介護サービスの種類もまた多様化するとともに，基準や通知も複雑になりました。幾度にもわたる介護保険法及び省令並びに通知の改正，数え切れないほどのＱ＆Ａの発出や整理を経て今日に至っています。
　介護報酬についても３年ごとの改定を繰り返し，そのたびに複雑さを増してきました。今後もさらに難解な仕組みの改定が繰り返されるのではないかとの不安を隠しきれません。
　そうは言っても，他の介護サービスと同様，居宅介護支援も法令等に基づいた支援を提供し，それによって報酬を得るという"法令ビジネス" ですから，法令通知に則った事業運営に努めなければなりません。だからこそ，ケアマネジメントの知識・技術のみならず，法令通知等に根拠を求めることも大切なのです。
　今回の改訂では，これまでの掲載内容を改廃し，『隔月刊誌　達人ケアマネ』に掲載した連載「居宅ケアマネ実務のＱ＆Ａ」の2015年８・９月号以降の内容を新たに加えたほか，2018年からの基準に対応した問答を本書のために書き下ろしました。介護支援専門員のみならず，数多くの介護保険に携わる皆さまに本書をお手に取っていただき，適正な業務遂行の一助としていただくことを願ってやみません。
　第５版の刊行にあたっても，これまで同様，日総研の石原敏行氏をはじめスタッフの皆さまに力を貸していただきました。記して感謝申し上げます。

　　2019年6月

成澤正則