看護師免許を持つ全ての人を対象に、ファーストエイドの体験型研修です。総務省消防庁のデータでは119番通報から救急車が現着するまでの全国平均は10分を超えている(令和5年)。医療資材や薬剤などが何もない通勤途中や休暇中に、もし外傷や急病の傷病者と遭遇してしまったら…。救急車が来るまでの約10分間で看護師として傷病者を悪化させず安楽を提供するため何ができるのか? 段ボール、コンビニの袋、紙コップなどの身の回りの物を使用したファーストエイドを少人数グループでの体験型研修にて習得してもらいます。
プログラム
※本研修ではCPRやAED使用などBLSの内容は扱いません。
1.ファーストエイド(FA)総論
2.状況評価
3.傷病者評価
4.緊急処置
5.短時間で行う効果的な情報収集
6.アナフィラキシーに対するFA
7.窒息に対するFA
8.けいれん重積に対するブコラム®、低血糖発作に対するバクスミー®の投与法と投与時の注意
9.様々な創傷処置
10.FA実施者の心的外傷後ストレス障害(PTSD)の予防
11.質疑応答
1.ファーストエイド(FA)総論
ファーストレスポンダーとは、FAの法的責任、一般市民が行うFAとナースが行うFA、JPTECファーストレスポンダーコースとは
2.状況評価
安全確保と二次被害防止、ビニール袋等を用いた感染防御、傷病者数と時刻・状況の確認、119番通報と110番通報
3.傷病者評価
自己紹介と救護の承認、気道開通と呼吸の評価、循環の評価、意識・反応の評価、外表の確認、四肢の動きと感覚の確認、バイタルサインの測定と評価
4.緊急処置
頭部保持と頸椎保護、止血法(直接圧迫止血、止血点圧迫止血、緊縛止血、ターニケットを用いた止血)、気道確保(頭部後屈あご先挙上法、修正下顎挙上法、下顎引き上げ法)、穿通性異物の固定(眼球・四肢)、フレイルチェストに対する固定法、開放性気胸に対する三辺テーピング法、脱出腸管の保護、切断指の対応、歯芽脱臼に対する対応、四肢整復と身の回りの物を用いた固定法、体温管理
5.短時間で行う効果的な情報収集
6.アナフィラキシーに対するFA
アナフィラキシーガイドライン2022、アナフィラキシーを見極める、エピペン®の使用法、エピペン®使用後の体位管理
7.窒息に対するFA
軽度の窒息と重度の窒息、成人に対する窒息解除法(背部叩打法、腹部突き上げ法、胸部突き上げ法)、小児に対する窒息解除法(背部叩打法、腹部突き上げ法)、乳児に対する窒息の解除法(背部叩打・胸部突き上げ法)、窒息が解除できないときの対応
8.けいれん重積に対するブコラム®、低血糖発作に対するバクスミー®の投与法と投与時の注意
9.様々な創傷処置
キズ口ややけどに対するFA(洗浄・湿潤療法・冷却と保温)
クラゲ刺傷(AHAガイドラインが国内で適応できない理由)
10.FA実施者の心的外傷後ストレス障害(PTSD)の予防
11.質疑応答