接遇を、組織戦略における重点項目として位置づけ評価しようという病院・施設が多くなってきたのが、今年の大きな変化だと感じました。
私はかねてより、対外的な接遇だけでなく内部接遇が大事だと言い続けてきました。職務上のコミュニケーション、挨拶が職員間でしっかりなされることが患者・利用者満足の向上につながっていくのです。ただ、職員同士は注意もしづらく改善がなかなか進まないもの。しかし今回ご応募いただいたどの病院・施設もこれがポイントと認識し、内部接遇の向上・改善に取り組まれていたのは喜ばしいことです。
また、とても具体的な接遇目標を掲げておられる点にも感心しました。患者・利用者・家族のアンケート結果等を真摯に受け止めた職員らが、自分たちの組織が必要とするものは何かと職種を越えて話し合い、漠然としたお題目ではなく、日々の業務の中で職員の誰もが実行でき、セルフチェックできるところまで落とし込んだ目標設定をされているのは本当に素晴らしいと感じ入りました。
職員のセルフチェックや患者・利用者評価は当たり前になされています。やはりここが改善の起点でしょう。自分たちは何をすればいいかという意識づけがしやすく、行動変容につながりやすいのです。
今年も多くの素晴らしい取り組みに出合うことが出来ました。心より感謝申し上げます。またきっとお会いしましょう。さらに成長したお姿が拝見出来ますことを、心より楽しみにしております。
2023年11月30日
一般社団法人 看護&介護ひとづくり協会 理事長
日総研・接遇大賞 選考・審査委員長 高橋啓子
|