今年も多数のご応募をいただき、10月から11月にかけて視察訪問をさせていただきました。毎年感じることですが、年々どの施設も病院も接遇レベルが着実に上がっていると感じます。
特に今年強く感じたのは、組織全体として他部門を横断的に含んだ横レベルのコミュニケーションが上がっている事でした。
苦情対応マニュアルの作成では、全職場から選ばれたメンバーが話し合うことで、それが患者さんを中心とした日常業務での連携がスムーズになされるようになり、チームケアの質レベルを上げていると感じられました。
リハビリの場面でも、リハスタッフとナースのコミュニケーションが常時図られているという現状に発展しているように感じました。
また、患者さんの切なる願いを叶えるために、ドクター・ナース・救急救命士・事務部門が連携して、その希望を叶える行動をとられるなど、いろいろな具体例を教えていただきました。
以前は、各部門の中でのコミュニケーションは十分に図られていても、他部門とのかかわりの中でうまく患者やご家族の願いが伝わり切れず、トラブルに発展するということをよく伺ったのですが、今年は、日々のカンファレンスや他部門との連絡会議を、意識的に当たり前に必要として実施なさっている組織が多くなっていると感じさせられました。
この内部コミュニケーションの良さが、安心して仕事を進められる環境を作り出し、それがスタッフ個々の安心感にもつながっていると思います。
今後も、患者・利用者の方を中心に考え、仕事上のコミュニケーションをきめ細やかに取ることを続けることで、患者・利用者も、働くスタッフも、安心・安全に仕事が出来るような、素晴らしい接遇を目指していただきたいと念じております。皆様方のさらなる発展を信じております。
2024年11月30日
一般社団法人 看護&介護ひとづくり協会 理事長
日総研・接遇大賞 選考・審査委員長 高橋啓子 |