接遇は本来、ケアそのものです。接遇が悪ければ、医療・介護施設は成り立たないはずです。今年ご応募いただいた施設すべてを訪問して感じたことは、組織の生き残りをかけた、経営の根幹として接遇に取り組んでおられることでした。顧客満足度を高めて経営基盤を強化するために、ケアサービスの本質として接遇を取り入れ、優れた接遇ができる人を増やすことで組織のレベルアップを図ろうと、組織ぐるみで動いておられます。
と同時に、スタッフが自ら目標を決めて取り組んでいるところが、以前よりも増えたと感じました。やらされるのではなく、楽しみながら接遇に向き合っている姿を多く見かけたのも、今年の特色でした。スタッフ発案の新しい工夫・独自の取り組みをたくさん拝見させていただき、感心しきりでした。
また接遇リーダーが、多職種に広がってきたことにも大きな変化を感じました。以前は看護部主導がほとんどでしたが、事務、検査、リハなど様々な部署・専門職の方がリーダーシップを発揮していらっしゃいました。とてもいい変化だと思います。
接遇は、医療・看護・福祉・介護の “仕事そのもの”ですと私は言い続けてきました。今、経営改革・業務改善や人材育成の中に、当たり前のように接遇が入ってきています。接遇が本来のところに来たと、しみじみ感じました。
接遇大賞にご応募いただいた皆様に視察訪問でお目にかかり、たくさんの笑顔をいただきましたことを心から感謝申し上げます。
2019年11月25日
一般社団法人 看護&介護ひとづくり協会 理事長
日総研・接遇大賞 選考・審査委員長 高橋啓子
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